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「畳の上では正座」正しい作法になったのはいつから?

2015年3月12日

 畳の上で行われる日本の伝統文化と言われたら、どんなものを思い浮かべるでしょうか。茶道、華道、書道、日本舞踊などなど……。また、柔道などの武道も、畳の上で行われるものですよね。これら、畳の上で行われる伝統文化においては、「正座」で座ることが正しい作法とされています。また、お寺での法要や葬儀など、儀礼の際も同様です。では、日本人ははるか昔から現代までずっと、この作法を守ってきたのでしょうか?その歴史を紐解いてみると、ちょっと意外な事実が見えてきます。

正座

 そもそも日本の建物の中で畳が使われ始めたのは、奈良時代ごろまで遡り、その歴史は大変古いということが分かっています。しかしそれに対して、「畳の上では正座が正しい作法」となったのは、実は意外と新しい時代になってからのこと。江戸時代以降のことなんだそうですよ。それ以前の時代には、畳とは大変に高級なもので、どんな家にでも普及しているものではありませんでした。鎌倉時代などの武家や庶民の家は、畳ではなく、固い板の間であることが一般的でした。ですから、その頃の日本人の座り方といえば、「あぐら」や「半跏趺坐(はんかふざ…座禅の時の座り方)」が主流だったのだそうですよ。そういえば、戦国武将の肖像画などは、あぐらをかいた姿で描かれていることが多いですよね。それが江戸時代になり、一般庶民の間へ畳の普及が進んだこと、また、地方大名が将軍に謁見する際の正式な作法が正座とされたことなども相まって、「正座」が畳の上での正しい作法として広まっていったようです。

 現代の住まいでは、畳の空間の割合が減ってきていると言われています。フローリングやカーペットの上にソファや、テーブルと椅子を置いて生活するシーンも多いですよね。しかし、綺麗に整った畳の部屋で正座をする時間というのは、身も心もピシッと引き締まるような気持ちになれるものです。現在のお住まいに、畳の空間を簡単に取り入れたいな、と思う方は、好きな場所にポンと置くだけで使える「置き畳」がおすすめですよ。