トップページ > 畳のサイズ
「畳1帖」と言うと、まず長方形のものを思い浮かべますよね。これは 一般的に、182cm×91cmと縦横比が2:1の寸法になっているものです。 また、長方形を半分にした91cm×91cmの「半畳」サイズもあります。 ただし、これはあくまでおおよそのサイズの目安で、実際には地域に よって「京間」「中京間」「江戸間」、アパートやマンション向けの 「団地間」などさまざな規格があります。
「畳は一般的に縦横比が2:1の長方形」と言っても、実はピッタリ正確な長方形ではない場合もあります。 家とは、それぞれの現場ごとにひとつひとつ建てられていくもの。 マニュアルどおりに、わずかな規格外れもなく工場で大量生産される品物とはわけが違います。 そのため、部屋ができあがったとき、縦横にほんのわずかな寸法のずれが生じることもあります。 そこへ畳を敷き込むとき、完璧な長方形だと隙間ができてしまうことも。 そこで、ミリ単位で縦横比をわずかに調整していることだって少なくないのです。
畳の断面をまじまじと眺めた経験のある人は、そういないかもしれません。実は、断面も長方形ではないということをご存じでしたか? 縁の部分は、斜めに角度をつけてあるのです。畳は厚みがあるので、このように切り込んでおかないと、部屋へ敷き込む際に角が当たって、平らに敷くことができなくなってしまうからです。
畳は世界中のどの国にも類のない、日本独特の文化。日本の気候や風土に合う素材を用い、整然とした見た目の美しさ、そして肌触り・感触などトータルで居心地の良い室内空間を作ってくれるからこそ、遠い昔から現代までわたしたちの暮らしの中に息づいてきたものだと言えるでしょう。 その“居心地の良さ”を作り上げるためには、たとえ部屋にわずかな歪みがあったとしても、見事に隙間なく畳を敷き込む採寸・調整の技が必要になってきます。 末永く美しく、気持ち良く過ごせる和室とは、経験豊富なプロの技量なくして成り立たないものなのです。
畳の敷き方は、実は一通りではありません。大きく分けて「祝儀敷き」「不祝儀敷き」の二通りあることをご存じですか?「祝儀敷き」とは、言葉通り縁起の良い敷き方。昔はお祭り、お正月、祝いの席などに用いられました。 それに対し「不祝儀敷き」は、葬儀などの時の敷き方。ちょっと怖いですが「切腹の間」に使われていたという話もあります。 昔の人は行事や祭事に合わせてその都度、畳を敷き替えていたそうです。 ちなみに現代の普通の家庭では「祝儀敷き」が一般的な敷き方になっています。
和室のマナーで「畳の縁を踏んではいけない」とよく言われます。これは、昔の身分制度と関わりがあるもの。かつては身分によって、畳の縁の色や模様について厳しい規律が定められていました。 そのため、人の家へ訪れた際に畳の縁を踏むのは、相手の顔を踏むのと同じぐらい失礼なことだと考えられていたからです。
最近の畳縁は、コンピューター制御されたジャガード織機で製造されますので、豊富な織り柄や色を楽しむことができます。 部屋のカラーコーディネートにこだわりを持つ方も多く、畳の縁の色までじっくりと時間をかけてお選びいただいています。ありがたいことに今は身分制度もありませんので、好きな縁をつけて畳もお洒落にしたいですよね。