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「裸足で畳」はオン・オフで使い分けを

2015年3月16日

 先日、地元のお寺へ伺った際、住職から座禅のお作法について習う機会がありました。その際、畳の間で靴下を脱いで裸足になりました。春が近づいたとは言え、まだまだ寒い時期ですから普段、家の中では靴下を履いて過ごしているわけですが、「裸足で畳」の感触とは心地よいものだな、と改めて感じたのです。フワッとやわらか、程よく弾力のある足当たり、寒い時期でもひんやりしすぎない畳の温かみ……。その時、「家でも、畳の上では裸足で過ごしたほうが、より気持ち良さそうだな」と感じたのです。そこで今回は「裸足で畳」のオン・オフでの使い分けについて考えてみたいと思います。

子どもの足

 そもそも日本人には、裸足の生活が適している、と言われています。日本の家屋とは昔から板の間や、畳の間であり、そこでは常時、裸足で生活していたものですし、外へ出て歩くときも裸足で下駄や草履でした。近代以降、靴を履いて生活するようになったことで、日本人の足裏には外から刺激が加わる場面が減り、筋肉が随分と弱くなっているのだそうですよ。足裏に刺激を与えないと、下半身の血行が悪くなって老廃物が溜まりやすくなり、むくみや冷え、腰痛や便秘などの原因になります。また、足を長時間靴の中に閉じ込め、開放させないことは、水虫の原因にもなります。だから日本人とはそもそも、靴や靴下を脱いで足を開放させ、裸足で生活して足裏へ適度に刺激を与える生活をしたほうが健康のために良いのです。そして、そんな場面にはやはり畳が最適なのです。畳の心地よい弾力が足裏に当たることは、足回りだけではなく脳にも刺激を与え、脳の活性化にもつながるんですよ。

 ただし、フォーマルな場で「裸足で畳」はマナー違反です。例えば、法要・葬儀などの儀礼や、座敷での会食の場、あるいは、よそのお宅におじゃまする際。素足でぺたぺたと畳の上を歩くというのは、足裏の汗や皮脂が畳に移ったり、砂埃やゴミが付着し、それがまた歩いた畳の上に広がりしやすくなって、公の場や、人の家の畳を汚してしまうことになります。かしこまった場では、靴下やストッキング、和装の場合は足袋を着用するようにしましょう。よその畳を汚さない、そして、マナー違反にもならないためには、悪天候の日はあらかじめ予備の靴下を用意して行く、また、道中で雨に濡れたり、汚れてしまった場合には出先で替えの靴下を買う、といった配慮をすると良いでしょう。

 「自宅では、"裸足で畳"の健康生活をしたい、くつろぎを感じたい!」と思われる方には、簡単に畳の空間を取り入れることができる「置き畳」もオススメです。フローリングの間にも、カーペットやラグのような感覚で、お好きな場所にポンと置くだけで畳の空間づくりをすることができますよ。